海外からのお客さまが増えて、英語や中国語でもお店の案内を用意したい。そう考えたとき、まず思い浮かぶのは「今のサイトを全部翻訳する」ことかもしれません。
この記事の結論です。全ページを直訳するより先に、営業時間・アクセス・メニューと価格・予約の方法を、外国語で読めるようにする。そして、日本語を変えたときに、誰がどの言語を直すかを決めておく。 多言語のサイトでは、作るときのことだけでなく、公開後に言語ごとの情報が食い違わないようにすることも、はじめに考えておく必要があります。
この記事では、どの言語の検索が多いかといった数字は扱いません。お店の立地や客層によって違い、調べた数字を持っていないためです。英語・中国語の例文も載せていません。翻訳の文章は、お店の内容と言語の両方を分かる人が確認してから使ってください。
多言語化の 対象情報を 決める
はじめに、外国語で案内する情報を決めます。基準は「その情報がないと、来店や予約ができないか」です。
- 来店や予約に欠かせない情報 — 営業時間・定休日、アクセス、メニューと価格、予約の方法。これは先に訳します
- あると伝わりやすい情報 — お店のこだわり、料理の説明、お酒の紹介。余裕があれば訳します
- 対象読者に応じて翻訳の優先度を決める情報 — 採用情報、取材のお問い合わせ、取引先向けの情報など。読む人に外国語を使う人が含まれるなら訳します。含まれないなら、後回しにできます
すべてのページを訳すと、公開後に直す量も言語の数だけ増えます。訳す範囲を絞ることは、更新を続けられる範囲に絞ることでもあります。
英語・中国語で 先に 案内する 項目
来店や予約に欠かせない情報について、訳す前に何を確かめるかをまとめた表です。英語・中国語のどちらでも使えます。これがこの記事の翻訳前の確認表です。
| 項目 | 載せること | 訳すときに確かめること |
|---|---|---|
| 営業時間・定休日 | 曜日ごとの時間、ラストオーダー、定休日 | 時刻の書き方(24時間表記か)、曜日の略し方、祝日の扱い |
| アクセス | 住所、最寄り駅からの道順、目印 | 住所と駅名のローマ字・漢字の表記を、地図アプリの表示とそろえる |
| メニューと価格 | コース・料理の名前、内容、価格 | 料理名を訳すか音で書くか、税込か税別か、サービス料の有無 |
| 予約の方法 | 電話、予約サービスのページ、予約なしで入れるか | 外国語で電話を受けられるか、予約サービスのページが外国語に対応しているか |
| 来店前のお願い | 苦手な食材の伝え方、キャンセルの決まり、支払い方法 | 断りや決まりが、強すぎず弱すぎない言い方になっているか |
とくに予約の方法は、お店の運用と合わせる必要があります。外国語の電話に出られないなら、電話番号だけを大きく載せるのではなく、外国語に対応した予約サービスへつなぐ、といった判断が要ります。
外国語での案内をどこまで用意するか、webasy に相談する場合はこちらからどうぞ。
メニュー名・価格・予約方法を 確認する
メニュー名・価格・予約方法は、訳し間違えると、注文や予約のときにお客さまが困ります。訳したあとに、次の点を確かめます。
メニュー名は、訳し方を先に決めます。日本語の名前を音のまま書いて説明を添えるのか、意味を訳すのか。同じ料理が、メニューのページとコースのページで違う名前になっていると、注文のときに混乱します。
価格は、数字だけでなく条件も確かめます。税込か税別か、サービス料がかかるか、コースに飲み物が含まれるか。日本語のページに書いてある条件が、外国語のページで抜けていないかを確かめます。
予約方法は、外国語のページから実際にたどってみます。予約サービスのページが日本語しか表示しない、電話番号に国番号がなく海外の電話からかけられない、といったことは、外国語のページを見ている人の立場でたどらないと気づきません。
言語を 切り替える 導線を 決める
言語ごとのページを用意したら、どのページからでも、同じ内容の別の言語へ移れるようにします。
- 言語の切り替えは、すべてのページの同じ場所に置きます。トップに戻らないと切り替えられないと、メニューを見ている途中の人が迷います
- 切り替えた先は、トップではなく、いま見ているページの別の言語にします
- 言語ごとに URL を分けておくと、外国語のページだけを人に送ったり、検索エンジンに言語ごとのページとして知らせたりできます
構成の 例
日本語・英語・中国語の3言語で、メニュー・アクセス・予約のページを持つお店なら、たとえば次のように組みます。
| ページ | 日本語 | 英語 | 中国語 |
|---|---|---|---|
| トップ | / | /en | /zh |
| メニュー | /menu | /en/menu | /zh/menu |
| アクセス | /access | /en/access | /zh/access |
| 予約 | /reserve | /en/reserve | /zh/reserve |
- 各ページの上部(スマートフォンではメニューの中)とページの下に、3つの言語への切り替えを置きます。押すと、表の同じ行の別の言語へ移ります
- 予約の案内は、言語ごとのページに、その言語で載せます。外国語で受けられない予約方法があれば、そのことも書きます
- 対象読者に応じて訳さないページがある場合は、そのページの切り替えから、日本語版しかないことが分かるようにします
webasy で制作したサイトは制作実績で見られます。
日本語が 変わったときの 更新フロー
多言語のサイトで気をつけたいのは、日本語のページだけ価格や営業時間が新しくなり、外国語のページが古いまま残ることです。日本語を変えるときに、各言語のどこを直すかを、変える内容ごとに決めておきます。これがこの記事の、日本語を変えたときの確認表です。
| 日本語で変えること | 各言語で直すところ | 確認すること |
|---|---|---|
| 価格の改定 | メニューのページ、コースの説明、トップの価格の表示 | 数字と、税込・税別・サービス料の条件が全言語でそろっているか |
| 営業時間・定休日 | 営業時間の欄、アクセスのページ、お知らせ | 臨時の変更なら、外国語のページにも期間つきで出したか |
| メニューの入れ替え | メニューのページ、写真の説明 | 料理名の訳し方を、決めたルールにそろえたか |
| 予約の方法 | 予約の欄、予約先へのボタン、よくある質問 | 外国語のページから新しい予約先へたどれるか |
| 臨時休業のお知らせ | お知らせの欄 | 休業が明けたら、全言語で下げたか |
あわせて、次の2つを決めておくと、直し忘れが減ります。
- 誰が訳して、誰が確認するか — お店で訳すのか、制作を頼んだ先に頼むのか。訳した文章を、お店の内容を知っている人が確認するのか
- 外国語のページをいつまでに直すか — 日本語と同じ日に直すのか、数日遅れてもよいのか。価格や営業時間を同じ日にそろえておけば、言語によって情報が違う期間をなくせます
日本語・地図アプリ・SNSのあいだで情報をそろえる考え方は、飲食店はInstagramだけで十分?ホームページと役割を分ける考え方にまとめています。
翻訳・制作・運用の 見積を 分ける
多言語化の費用は、次の3つに分けて見積もりを取ると、比べやすくなります。
- 翻訳 — どのページを、どの言語に訳すか。訳した文章を誰が確認するか
- 制作 — 言語ごとのページと、言語の切り替えの仕組みを作ること
- 運用 — 公開後に日本語を変えたとき、各言語のページを誰がどこまで直すか。それが月々の費用に含まれるのか、その都度見積もりなのか
3つ目は、公開したあとに毎月かかわる条件です。見積もりの段階で、公開後の更新の条件も確かめておいてください。費用が何で変わるかの全体は、飲食店ホームページの費用は何で変わる?にまとめています。
お店の 多言語サイトを 相談する
webasy では、多言語対応をオプションとしてお引き受けしています。翻訳と、言語を切り替える仕組みをまとめて行います。オプションの金額は内容によって変わるため公開していません。ご契約の前に、お見積もりとしてすべてお見せします。飲食店の場合に月額に含まれるもの・別のお見積もりになるものは飲食店のホームページ制作に、料金の全体は料金と契約のきまりに載せています。
ご相談では、営業情報・メニュー・写真・予約先・対応したい言語を伺い、訳す範囲と、公開後の更新のしかたをあわせて確認します。



